掛け軸の種類

掛け軸とは?

掛け軸は、日本へ中国より飛鳥時代に伝来したとされています。掛け軸の目的は、本来仏教を広めるための礼拝用に用いられてきましたが、日本の文化や居住環境に合わせて日々考え方や伝わり方が変化しました。掛け軸には「掛けて拝する」という意味が込められています。現在では室内の装飾として彩りを添えるためにも利用されています。また掛け軸の種類別に用途や目的が異なるため、シーンにあわせて選ばれる事が多くなっています。

仏画(仏事)掛け軸

仏画掛け軸(仏事掛け軸)には、名号や十三仏、観音、三尊仏、達磨、蓮といった掛け軸があります。お仏壇専用のミニ掛け軸も人気となっています。仏画掛け軸は、仏様や菩薩様が描かれており、美術品としての装飾だけでなく仏様をお祭りするという用途も含まれています。仏事掛け軸は、弔事や法要、お彼岸、お盆といった仏事で飾られる掛け軸になりますので用途に合わせて仏画・仏事掛け軸を選ぶことが大切です。

神画(神事)掛け軸

神事に用いる掛け軸で、神様に関する祀りごとや儀式で飾る事が多くあります。幸せや豊作を願う神様である天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)の掛け軸を掛ける事が多くあります。他には「七福神」や「六瓢息災(むびょうそくさい)」、「昇り鯉」、「天神」などの神事掛け軸があり、用途や用法により選びます。

年中掛け

季節や行事に関係無く1年中掛けられる掛け軸を年中掛けと言い、普段掛け(普段掛け掛け軸)とも呼びます。四季折々のシーズン別に掛ける季節掛けや節句、弔事、慶事といった時期が定まっており掛け軸をかける期間が決まっているものとは用途が異なります。年中掛けは、一年中掛けて楽しむ事ができますが掛け続ける事で早く傷む原因にもなりますので、最低でも半年に1度は掛け軸を入れ替えてください。

季節掛け

季節掛け用の掛け軸は、日本の四季にあわせて掛け軸を掛けます。掛け軸に描かれている画題が実際に見られるようになる少し前の時期から飾りはじめ、その画題の旬が終わる前にはほかの掛け軸に掛け替えるのが一般的です。

祝儀掛け

祝儀掛け用の掛け軸は、お祝い後の際に掛ける掛け軸です。1年に1度掛け替える干支の掛け軸は1年間家を守ってもらう、幸せを願うといった意味を込めて掛ける事が多い掛け軸です。干支掛け軸と共にお正月に縁起が良いとされる「一冨士二鷹三茄子」、「赤富士」、「昇り鯉」なども人気です。長寿・家庭円満、飛躍といった意味合いを込めた「鶴・亀」を画題とした掛け軸も人気です。また新築や開業といった場でも用いられる掛け軸もあります。

節句掛け

端午の節句や桃の節句に掛け軸を飾ります。端午の節句は、5月5日(子供の日)と定められ男女を問わず災厄から身を守るために行わていた宮廷行事でもありますが男の子の成長を願い、お祝いするというイメージが強くなっているかもしれません。桃の節句は、3月3日(ひなまつり)と定められ女の子の成長をお祝いする日として、お雛様と共に掛け軸をかける風習があるご家庭もあります。端午の節句は別名「菖蒲の節句」とも呼ばれ、5月は田植えを行う月でもあり、田植えは若い女性が行う神聖な行事・仕事とされていた事から田植え前日より菖蒲の葉を屋根に使った小屋(家屋)に女性がこもり、菖蒲酒を飲むことで穢れを祓い、田植え仕事に備えるという目的としても行われていたようです。子供の日や雛祭の画題だけではなく、最近では子供の名前を刺繍した掛け軸も人気となっています。

茶掛け掛け軸

茶掛け用の掛け軸は主に茶室に飾る掛け軸です。茶室の床の間には原則として「墨蹟(ぼくせき)」を掛けることが決まりとなっており、主に禅僧・ご住職が書き残した筆跡を指します。「茶道の心」と「禅の心」を理科愛するための拠り所とする意味が込められており、茶席にお客様をもてなす際、どのような意図をもってもてなすかを茶掛け掛け軸の言葉で表現するという意図もあり、実は茶席での茶掛け掛け軸は重要な意味合いがあるのです。茶室の床の間では茶掛け掛け軸が必須となりますが、待合の席(待合室)では、掛け軸の画題は決まっていないため季節掛けや年中掛けなど掛け軸の種類は問いません。