床の間飾りの基礎知識

経験豊富な専門の職人により、さまざまなものが修理できます。

また陶磁器・掛軸・額装などの保管に役立つ木箱・紙箱や軸装・額装のご注文なども承っております。

その他、お持ちの書画・骨董・茶道具類の買付けも致しておりますので、お気軽にご相談ください。

新春-お正月の床飾り

毎日を慌しく過ごす現代人もお正月を迎えると、去年を振り返ったり新しい年に思いを馳せたりと、いつもと違った引締まった気持ちになります。
毎年正月という時に同じ掛軸に厳粛な気持ちで巡り会うことで、去年や一昨年の同じ日に自分が考えた事を思い起こさせてくれる、というようなことがあるそうです。
一品当朝図は荘厳な一羽の鶴を荒々しい波と巌に配した、新年を迎えるにぴったりな図です。 写真は香炉を配しましたが、松や梅を花器に活けたり盆栽や霊石を添えても様になります。他にも三方などを使った熨斗飾りや干支などお正月ならではのおめでたい置物も楽しい飾りになるでしょう。

※画像の説明
掛物 : 赤松雲嶺 筆 一品当朝図
置物 :諏訪蘇山 青磁 香炉
敷台 :紫檀 透彫 平卓

新春-お正月の床飾り

寿ぎ-めでたき席の床飾り

あっさりとした画賛物のような掛軸には、写真のような小品の床置きがよく合います。
よく言われる余白を活かすということでなく、床の間を一つの『場』と捉えることで、私達は何もない空間の方を、敬虔な気持ちで見ているのかも知れません。
写真は禅僧の筆による富士に 変わらぬ繁栄を表す松の小品盆栽を取り合わせました。他にも、鶯の軸に梅、松の絵に亀の香合など、いろいろな組合せを楽しめます。

※画像の説明
掛物; 竹田 物外 自画賛 富士
置物; 松 小品盆栽
台; 黄楊 天然彫

晩秋-実りの頃の床飾り

秋は四季のなかで最も大切な実りの季節。この季節に大地の恵みを題材にした掛物や置物を、私たち日本人は昔から自然への感謝をこめて飾ります。
本席は、秋の実りを盛り沢山に描いた掛軸の前に、愛らしい子供の姿をした一対の福の神を、めでたい尽くしに末広形(扇面の形)の台にのせて配しました。
他にも、稲穂の掛軸に雀の置物や、葡萄の軸に栗鼠、大黒天の掛軸に小槌や俵の置物のほか、秋祭りの絵にあわせて片木を台にして置物を配するのも楽しそうです。

※画像の説明
掛物; 宮本 昌雄 筆 錦秋賛果
置物; 鋳銅 恵比寿 大黒
花台; 紫檀 扇面卓

初秋-名残の床飾り

揺れ動く秋草の中に、移ろい過ぎゆく季節の儚さを感じ、そこに美を見つけだす私達の感受性は、諸行無常や もののあはれを言った時代から何も変わっていないのかもしれません。
月明かりに映える秋の七草を軸に 葛家の香炉を野趣のある敷板に配し、秋の夜長に砧を打つ音が聞こえるような飾りにしました。

※画像の説明
掛物 ; 島田 稔明 筆 月に秋草
置物 ; 鋳銅 田家 香炉
敷板 ; 天然彫

お盆・御法事の床飾り

お盆の頃になると、親戚一同が仏壇のある家に集まります。
互いの元気な姿を確認しつつ、ご先祖さまに家族の健勝を祈ることは、床や掛軸がこの国に最初にやってきた姿に一番近いのかもしれません。
掛物は、各宗の仏画・名号のほか、仏花や墨描の花、霊魂のお使いである蝶や蜻蛉、最近では、『夢』の一字も使われます。
香炉は青磁か銅の物を床の中心に据えて、台も脚付のものか盆など格の高い物がおすすめです。

※画像の説明
掛物;森 清範老師 筆 名号
香炉;七官青磁 方鼎香炉 銀火舎添
香台; 蝋色 二段卓

初夏の床飾り

暑気の始まりに爽やかな新緑の瑞々しさが本格的になってくると、
床の間には水の風情がよく似合います。古来より日本人は一陣の風や、滾々たる水の流れに神の仕業を感じ、自然の恵みへの感謝と願いを、床の間という祈りの空間に掛けました。
今席は、勢いある水流に元気よく跳ねる鮎一尾が描かれた 涼味の引立つ細幅を掛け、縁起物の香炉を略式に、中心をよけて敷板に据えました。

※画像の説明
掛物;今井 景樹 筆 香魚 撫子
香炉;大森 孝志 作 蝋型鋳銅 藻刈り舟
敷板; 時代 ラオ竹編 筏台

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