動物画掛軸

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動物画掛軸とは

日本人は縄文の時代より動物画を描いてきました。鹿や魚など狩りや漁を祈願するために描かれていました。

弥生時代の銅鐸、古墳時代の埴輪にも動物は多く描かれます。

仏教が伝来してからは、鳳凰、亀、兎など仏教の教えに基づいた動物が多く描かれました。四神(玄武、朱雀、青龍、白虎)などは目にしたこともあると思います。

動物画には、主に開運や厄除けなどの祈りを込めて描かれたものが多く、それを描いた掛軸を掛けることで、良運を呼び込むと考えられております。

画題としても実に多くバリエーションも豊かです。

蝙蝠(こうもり)の掛け軸

蝙蝠(「福」 fú と「蝠」 fú が中国では同音のため)、鹿(「禄」 lù と「鹿」 lù が同音のため)めでたいものとされてきました。

鯉の掛軸

滝登り図、跳鯉図、遊鯉図、夫婦鯉図などがあります。

勢いが力強く盛んだ驚異の生命力を持ち滝をも登る鯉は、やがて龍になるという伝説から、立身出世・金運上昇・商売繁盛を導くといわれています。

古来より出世栄達の願いを込めて、子供のたくましい成長を祈り、端午の節句にもお使いいただけます。

また、鯉はなわばりを持たないためケンカをしない穏やかな魚です。夫婦鯉の図は家庭円満の意味が込められています。

流麗な姿に泳ぐ宝石と称される鯉。その優美な姿は富豪の徴ともいわれています。

鹿の掛軸

鹿は仙獣、神獣とされ尊ばれてきました。また、読みの音が禄(ろく)と鹿(ろく)で同じことから、福禄、食禄を表すこととなり喜ばれてきました。寿老人と一緒に描かれることも多いです。

鶴の掛軸

双鶴図、鶴亀図、松竹梅鶴亀図、飛鶴図などがあります。

古来から鶴は縁起の良い鳥として珍重されています。                 『鶴は千年亀は万年』ということわざがあるように、鶴には長寿の意味合いも込められています。

鶴亀の掛け軸は縁起が良い掛け軸として人気が高いです。

鶴の図柄が天を見据えた図柄が多く、これは鶴の鳴き声が天にも届くという言い伝えから、天を見据えた図柄が多くなっているようです。

仲の良い夫婦鳥としても鶴は有名ですから、夫婦仲よく末永くという意味合いも、鶴の掛け軸には込められています。

松竹梅と鶴亀の図柄は、長寿円満を高らかに謳いあげる縁起のもので、縁事・慶賀に欠かせない吉祥慶祝画の決定版。

また、日本一の富士山と飛翔する夫婦鶴の図も、吉祥を高らかに表現できる慶祝の名構図です。

お目出度い席を優美に寿ぎ、ご尊家の末永い繁栄と平安を祈り、吉兆の訪れを祝うように飛翔する丹頂鶴たち。

鶴が飛翔する図柄は、あらゆる慶祝の席にお掛けいただけます。

干支の掛軸

十二支、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥図があります。

「干支」は縁起物として、時・場所・場合を問わず、一年中掛けることができます。

子(ねずみ)の掛軸

子(ねずみ)は、商売繫盛の恵比寿さまと五穀豊穣と富を司る大黒天と共に描かれ開運の掛け軸として喜ばれます。

丑(うし)の掛軸

丑(うし)は、勤勉によく働く姿が「誠実さ」を象徴し、身近にいる縁起の良い動物とされています。

天神様とかかわりが深い紅白梅と共によく描かれております。

寅(とら)の掛軸

寅(とら)は、邪気を払う魔除けや福を運ぶ軸として、また、家庭円満の祈りが込められています。

猛虎図、八方にらみの虎図などがあります。

陸上の王である虎は、「一日にして千里を行き、千里を帰る」といわれるように、強靭な生命力であらゆる厄災を振り払い家運隆盛を導くといわれています。

正面向きに描かれた「八方睨みの虎」といわれ、どこから見ても災いが近づかないよう外敵を睨んでいるように描かれ、魔除けや厄払いの意味が込められています。

また仔虎に愛情を注ぐことでも知られている虎は、親子の絆の象徴でもあります。

家内安全、開運の願いを込めてお飾りください。

卯(うさぎ)の掛軸

卯(うさぎ)は、赤い目をしているため、厄除け・魔除けの力があるといわれています。そして、古くから赤は生命力を高める強い色とされてきました。

また、おめでたい色でもあるので縁起の良い掛け軸としてお使いいただけます。

兎は月を象徴する動物として多くの伝説があり、そのため画題としてもよく描かれています。

また子供をたくさん産むため子孫繁栄を願って描かれます。

辰(たつ)の掛軸

辰(たつ)は、悪運を「絶つ」ともいわれ、また鋭い爪で吉運を掴むといい、古くから家を守護し繁栄をもたらすと伝えられてきました。

龍神図、昇り竜図 などがあります。

鋭い眼光で厄難を祓い鋭い爪で財運を招き、鋭い眼光で四方八方から忍び寄る厄難を追い祓う龍。

財運を象徴する宝玉を掴む、威厳に満ちた威風堂々とした風格。

龍は登龍門の故事からも立身出世の象徴であり、天に昇る勢いは運気上昇と高い開運力があるといわれています。

また、水を司る神獣であるため、海の安全を守り、雨を降らせるといわれいます。

豊漁・豊作の願いを込めて掛けることができます。

巳(へび)の掛軸

巳(へび)は、「財」を表す繁栄の象徴。非常に縁起の良い動物と考えられています。

年に数回「脱皮」を繰り返すその様子が「生まれ変わるように見える」ということから、

「命」や「生命力」を象徴する開運の掛け軸として喜ばれます。

午(うま)の掛軸

午(うま)は、農耕民族であった古代の日本人にとって、とても重要な役割を果たし、古くから「神様の乗り物」として知られ、生きた馬を神に捧げる儀式が行われてきました。

また、人を運ぶことから、「客を運ぶ」として、客商売の方にも好まれます。「馬力」と言うようにエネルギーの象徴でもあります。

“うまくいく”という語呂合わせの通りに招福と様々なご利益の掛軸として喜ばれます。

未(ひつじ)の掛軸

未(ひつじ)は、常に集団で生活する習性があるので身近なものへの配慮を欠くことなく、人々の輪を大切にするという印象があります。

平和的でとても温厚な羊の性格から、昔から家族安泰を表しており、とても縁起の良い掛軸として喜ばれます。

申(さる)の掛軸

申(さる)は、は家庭運、特に夫婦円満に効果的とされています。

語呂合わせで「去る」に通ずることから「困難が去る」縁起の良いと動物だと言われています。 災いが去り、幸福を招く縁起の良い掛軸として喜ばれます。

 

酉(とり)の掛軸

酉(とり)ニワトリは他の動物にはない明け方に鳴くという習性から、〝太陽を連れてくる”と言われていてとても縁起が良い鳥とされ、古くから大事にされてきました。朝日というのは「昇り調子」を 意味するので開運の掛け軸として喜ばれます。

戌(いぬ)の掛軸

戌(いぬ)はお産が軽く、一度に沢山子供を産み、家族を大切にすることから「子宝」「安産」のシンボルとされています。

また「遠吠えが魔を払う」「犬の居る家には悪いものが入って来ない」などといわれ、邪を防ぎ、正を守る家内安全のご利益の掛軸として喜ばれます。

亥(いのしし)の掛軸

亥(いのしし)力が強く子どもをたくさん産むことから「無病息災」「子孫繁栄」の象徴とされています。

また、首から背中にかけて生えている鬣(たてがみ)は丈夫でなかなか切れないことから「金運が切れない」と言われ縁起が良い掛け軸として喜ばれます。

動物画掛軸は、厄災を祓い家庭降盛を願う画題が多く、バリエーションも実に豊かです。

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