花鳥画掛軸

1354741894 (2)_R

花鳥画掛軸とは

花鳥画掛軸は、四季おりおりの草花、樹木、大自然の織りなす一場面を写しとった一幅の掛軸で、家の中にいながら季節を感じられるものです。

草花、樹木にたわむれる鳥や昆虫、動物たちも季節を演出する一助となっています。バリエーションも多種多様で、お気に入りを見つけやすいジャンルでもあります。

季節感をお部屋に演出したり、感じ取る目的で四季折々のものを描いているものと、縁起物として一年中掛けることができるものがあります。

いずれにせよ、鳥、花、動物、魚介など様々なものが登場します。また、描かれる動植物の中には意味が込められているものがあります。

(画像) 掛軸 内田逸郎

山桜(桜花小禽)

竹の掛軸

竹は、まっすぐでもしなやかさがあって曲がっても折れにくいうえ、その驚異の成長力から、人としての理想の一つの象徴ともされています。

生命力の強さと青々としてまっすぐ伸びる様子から、子孫繁栄を意味し、清浄な植物のひとつとされ、冬の寒い季節に友とすべき三つのもの「歳寒の三友」の一つにあげられます。

「歳寒」は冬の寒い季節。転じて、乱世や逆境のたとえとも言われます。

また文人は、書と画の中間項のような新しいジャンルの墨戯として、墨竹という表現方法で竹を描いています。

魚類の掛軸

魚類の掛軸は、卵を多数生むことから、子孫繁栄、成長、出世を祈ることを意味します。

つる植物の掛軸

つる植物の掛軸として、豆やブドウなどは長くつながって伸びていくことから子孫繁栄を意味します。

罌粟(ケシ)の花の掛軸

罌粟(ケシ)は、中国語読みで「罌」と「嬰」と「迎」が同じ読みのため、子供を迎える、子供の誕生を願う意味があります。

蝶と猫の掛軸

蝶と猫の掛軸は、長寿を意味します。

年中掛けの花鳥画掛軸とは

季節を問わずに一年中掛けられる花鳥画の図柄があります。 最初に選ぶ掛軸としてもおすすめです。 以下のものが有名です。

牡丹の掛軸

牡丹は4月から5月に咲く初夏の花ですが、華王や富貴花とも呼ばれて、花々の中で最も高貴な花とされ、おめでたい意味にもなります。

なので、季節ものとしてだけでなく年中掛けとしてお使いいただけます。

牡丹の掛軸は、気品溢れる花の姿から、ご来客時に「最上級のおもてなし」の思いを込めてお使いいただけます。

四君子の掛軸

四君子は、梅、菊、蘭、竹の四つの植物を一同に組み合わせたものをいいます。

君子とは、徳が高い人格者であり、清らかで高潔な人のことをいいますが、君子として持つべき心がけを、この4つの植物に見出し、草木の中の君子として称えたものとされます。

蘭は、よい香りで品格を持つとされ、

竹は、寒中においても青々として曲がらずまっすぐに伸びること。

梅は、雪の中春の訪れを告げて最初に花を咲かせる強さを。

菊は、気を満ち、邪気をはらう延命長寿の花とされることから、君子として必要な性質を象徴していると考えられました。

また、中国では、花鳥画掛軸の画題としてこの四君子が用いられ、春は蘭、夏は竹、秋は菊、冬は梅と、四季を通じるテーマにもなっています。

季節もの花鳥画掛軸とは

本来、日本には四季にあわせて床の間の掛軸を掛け替える文化があります。

季節に合わせて掛軸を掛け替えるのはとても楽しいもので、お正月に年神様をお迎えするために門松を立てたり注連縄を飾るのと似て、今年もいつも通りにこの季節を迎えることができたという喜びをあらわしているのでしょう。

現代において空調のきいた生活空間でさえ掛軸を掛けると春夏秋冬の季節を感じることができます。

掛け替えのタイミングは、その季節がくる少し前ちょっと早いかな?ぐらいのころに掛け替えると次にやってくる季節をお迎えする準備が来ますね。

春の花鳥画掛軸

JY1334◆◇掛軸 塚下静庵 桃 尺八横 現代作家新作掛軸 (2)

季節を感じられる花鳥画掛軸として、春に掛ける代表的なものは、春の訪れとともに一斉に咲き誇る桜です。

桜は日本の国花であり、海外の方にもとても人気が高い花です。

ふんわりと華やかに咲いたと思えばはかなく散りゆき、美しい散り際には、日本の侘び・寂びの心を感じさせてくれます。

掛ける時期は寒桜が先始める1月下旬から満開になる4月初めを目安にお楽しみいただけます。

春の花鳥画掛軸の画題(絵柄)には、桜(さくら)、桃(もも)、牡丹(ぼたん)、菜の花(なのはな)、藤(ふじ)、躑躅(つつじ)、春蘭(しゅんらん)、木瓜(ぼけ)、木蓮(もくれん)などがあります。

(画像) 掛軸 塚下静庵 桃

夏の花鳥画掛軸

夏に掛ける花鳥画掛軸で代表的なものは、川蝉・鮎・青い楓・紫陽花といった涼しげな爽やかな色彩が醸し出し清涼感がある花鳥が中心です。

特に川蝉は羽の色から「翡翠」とも呼ばれる夏の代表的な鳥であり、狙った獲物を確実に仕留めるところから大願成就に通じるといわれる夏の縁起物です。

掛ける時期は4月中頃からから8月のお盆前までを目安にお楽しみいただけます

夏の花鳥画掛軸の画題(絵柄)には、朝顔(あさがお)、鮎(あゆ)、川蝉(かわせみ)、百合(ゆり)、石楠花(しゃくなげ)、紫陽花(あじさい)、杜若(かきつばた)、燕(つばめ)枇杷(びわ)、芙蓉(ふよう)、撫子(なでしこ)、鉄線(てっせん)、露草(つゆくさ)、薊(あざみ)柳(やなぎ)などがあります。

秋の花鳥画掛軸

秋に掛ける代表的なものは、秋草や紅葉・柿といった色づきのある植物です。紅葉の朱色に染まった山景色は古来より多くの人々に愛されており、熟れた柿の実と小鳥の構図も晩秋の風物詩として現在でも親しまれています。

秋の掛軸は、実りの秋、収穫の秋という自然の恵みを堪能していただけます。

掛ける時期は8月から11月までの間です。

秋の花鳥画掛軸の画題(絵柄)には、紅葉(こうよう・もみじ)、菊(きく)、芒(すすき)、桔梗(ききょう)、竜胆(りんどう)、萩(はぎ)、女郎花(おみなえし)、蔦(つた)などがあります。

冬の花鳥画掛軸

冬の花鳥画掛軸として、冬に掛ける代表的なものは、年末の慌ただしさと年越しの厄除けの「南天」や、年明けに縁起の良い「紅白梅」などです。

年の初めのおめでたさを演出するのには相応しい華やかさがあり、また年明け最初に花を咲かせる梅は、厳寒の中においても見事に花を咲かせることから忍耐強さと大願成就に繋がるといわれています。梅には鶯が定番で、春の訪れを感じさせる縁起図です。

掛ける時期は11月から2月までが目安です。

冬にかける掛軸の画題(絵柄)には、梅(うめ)、南天(なんてん)、椿(つばき)、福寿草(ふくじゅそう)、水仙(すいせん)、山茶花(さざんか)、千鳥(ちどり)などがあります。

12ヶ月の花鳥画掛軸

月ごとの掛軸としての一例として有名なものは、1月は紅白梅・福寿草、2月-椿・蘭、3月-桃・菜の花、4月-桜・木蓮、5月-花菖蒲・柳、6月-牡丹・紫陽花、7月-芙蓉・竹(笹)、8月-朝顔・蓮(睡蓮)、9月-菊・萩、10月-秋桜・紅葉、11月-柿・蔦、12月-南天・山茶花などそれぞれに多くの意味がこめられたものもあり、隠された意味を探れるなどの知的好奇心をくすぐられるものが多いです。

花鳥もの掛軸は、遠い昔、唐の時代から存在し、和漢の融合を経て現代人の生活にも合うよう変化、進化し続けるの画題といえます。

そして、自然に恵まれた日本の美しさをご自宅で味わえる楽しみがあります。

古忨堂は骨董を通して日本のものつくりの文化で育まれた知恵を楽しくお伝えしていきます

このホームページ内に書かれた専門的な内容は、長い間に古忨堂にお越しいただいていた、様々な「道」に精通されているお客様や先生方、また同業の古い先輩方から教わった事が多く書かれています。

他のWEBページに載っていないことも多いかもしれません。

文章内容には誤解が出ないように注意しておりますが、時代や流派、地域などの違いで齟齬もあるのではないかと思います。現在何かの「道」の習得などに励んでいらっしゃる方は、このホームページを含めてWEB上の知識ではなく、直接おしえてくださっている先生のお話をお聞きくださるよう、お願い申し上げます。

直接古忨堂へお越しいただく場合

阪神百貨店梅田本店8階にて、連日午前10時から午後8時まで営業しております。

(1月1日はお休みです。他は阪神百貨店の営業予定日をご確認ください。)

大阪メトロ梅田駅 / 東梅田駅 / 西梅田駅 / 阪神電車・大阪梅田駅 / 阪急電鉄・大阪梅田駅 / JR大阪駅が最寄りです。

阪神百貨店8階 古忨堂への行き方

ネット通販から工芸品や古美術を購入する方法

ページ内に[ 〇〇〇〇〇はこちら ] というボタンがありましたら、そのボタンをクリックするとその内容の古忨堂の商品検索結果があらわれます。画像をクリックできるものは直接その商品ページをご覧いただくことができ、販売サイトから直接お買い求めいただけます。各販売サイトの特典が使用できます。

また、一部の作品は阪神百貨店のRemo Order(リモオーダー)などを利用してご購入もいただけます。

その場合、販売サイトの購入ボタンは押さずに作品ごとにお問い合わせください(ヤフオクの競りあがっている商品、及び¥10,000未満の商品は全てご利用いただけません)。

送料は別途かかります。リモオーダーでは阪急阪神百貨店のポイントやカード割引など通常のリモオーダー取引と同じ特典をご利用いただけます。

詳しくは阪神百貨店のホームページもご覧ください。

掛軸の販売はこちら

掛軸・工芸品・古美術品の販売=ご注文依頼の方法

こちらからお問い合わせください。

その際、お探しのお道具類の

使う用途(普段使い、慶事、フォーマルな茶会、収集、など)

使う予定(季節、日時、目的(趣向)、お稽古用、など)他の取り合わせ(茶事・茶会や床飾りなどの場合)

ご予算(わかれば)

など、お教えいただけますと迅速にご対応できます。

掛軸・工芸品・古美術品の買取=売却をご希望の方

tel : 06-6341-1000 までお問い合わせください。

その際、売却希望の作品の画像をお送りいただけると早くご対応可能です。

ジャンルによって必要な画像が違いますので、詳細ページをご覧ください。

詳しくはこちら