掛軸 物故作家と現存作家の違い

物故作家とは亡くなった作家のことです。

それに対して、現存作家とは今現在も生存している作家のことを意味します。

作家といえば、主に小説家をさしますが、絵画、彫刻、陶芸などの芸術作品の制作者をも指します。

生前、技法の伝承に貢献したり、独自の作風を生み出した功績を残した人が特に物故作家としてその名前を連ねます。

現存作家はその功績が未知であるため、多くの作家の名前が挙げられますが、注目度、人気、実力、受賞歴などにより、その中で着目される作家はやはり絞られます。

物故作家の掛軸の魅力

物故作家の魅力のひとつとして挙げられるのか、その希少性です。

現存作家であれば、作家が存命のため、これから数多くの作品を手に入れる事ができる可能性があります。

それに対して、物故作家はすでに逝去しているため、今後は作品を望む事ができません。

有名な作家であれば、美術館や法人などが所蔵しているため、残された数少ない作品を購入することになります。

優れた作品でも何かの機会に作品を手放すコレクターもいるため、見つけた時、その瞬間を逸してしまった時点で、なかなか手に入りにくくなる程、希少です。

物故作家の技法の力や度量は、厳しい時代背景と作品に対する姿勢への真摯さから群を抜いたものを目にすることができます。

息を止めて書道の様に一気引く運筆、日本画の基本技法である墨流しや垂らし込み、新しい技法として生み出された没骨(もっこつ)などを用いて、顔料や和紙、墨の選び方にもこだわりがあり味わい深いです。

また、顔彩や墨、和紙などが時代を経て独特の風合いを生み出しています。

禅の教えを背景にした茶の湯(茶道)では、本席においては禅宗の僧侶の書である墨跡(ぼくせき)の掛軸を第一の道具とされてきました。

時代を経ても重んじられてきた物故の僧侶の掛軸は歴史のあるものとしてよく選ばれます。

歴代、同じ掛軸を誰が所蔵していたか、それが誰の元に渡って現在手にする事が出来たかということも着目されます。

また、待合(まちあい)でも物故作家の掛軸は季節感を出すためのお道具として、『侘び寂び』を表現する深い味わいが好まれます。

舶来の珍しい裂地(きれじ)や紙を用いたものや、昔ながらの表装技法にも工夫が凝らされたものが多くて興味深いです。

現存作家の掛軸の魅力

現存作家の魅力は真新しさ、モダンな構図、付加価値の未知数にあります。

現存作家の用途として、描き下ろしの新作は贈答品として最適です。

特に伝統的で縁起のよい画題(絵柄)は、祝い品として、おめでたい日を彩ります。

ご結納やご婚儀の際の席の掛軸として『松竹梅鶴亀』『高砂』『旭日』などが最適です。

これらの画題(絵柄)はお正月にも新年を迎える祝いの掛軸として掛けられます。

また、現存作家の掛軸には現代的な作風が多いのも特徴です。

物故作家の描く日本画ではあまり見られない、洋画の技法である遠近法を用いられた作風などもあります。

そのため、モダンな床の間、洋式の部屋の部屋にも合いやすく、比較的若い世代の方々にも好まれます。

また、新鋭の有望な作家では10年程で価値の上がる作家もいます。それを見越して投資目的で購入する方もいます。手元にある作品の評価の変遷を見るのも楽しみのひとつですね。

取扱作家 物故

菅楯彦  すがたてひこ
生田花朝女 いくたかちょうじょ
深田直城 ふかだちょくじょう
岩佐古香 いわさここう
立脇泰山 たてわきたいざん
須磨対水 すまたいすい
山田耕雲 山田こううん
尾竹竹坡 おたけちくは
赤松雲嶺 あかまつうんれい
姫島竹外 ひめじまちくがい
横山清暉 よこやませいき
上島鳳山 うえしまほうざん
上田耕甫 うえだこうほ
千種有功 ちぐさありこと
中村貞以 中村ていい
武部白鳳 たけべはくほう
矢野橋村 やのきょうそん
荒木月畝 あらきげっぽ
小野踏青 おのとうせい
小林五浪 こばやしごろう

取扱作家 現存

出口華凰 でぐちかほう
安野恵美 あんのえみ
穐月明  あきづきあきら
飯尾剛史 いいおたけし
竹田寿昌 たけだじゅしょう
大森隆史 おおもりたかし
吉井大起 よしいだいき
宮本幹太 みやもとかんた
前谷尚子 まえたにしょうこ
金武翠煇 かねたけすいこう

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