リモージュの買取

リモージュとは?

フランス・リームザン地方の中心都市のリモージュという地名のことであり、同様にそこでつくられた「磁器」のことを指します。フランスにおける磁器製造の幕開けになった場所のため、この窯業地の名が製品の総称になり、ブランド名として定着しました。
日本の「伊万里」や「有田」、特に「鍋島」と似ていますね。

リモージュの歴史

リモージュとヨーロッパにおける磁器の歴史を紐解いてみましょう。

ヨーロッパに磁器がもたらされたのは、マルコポーロが14世紀に中国で磁器を発見し、それを持ち帰ったのが起源となっています。

ヨーロッパの富裕層は、中国の白磁を「白い宝石」や「白いゴールド」などと呼び、輸入が盛んに行われて行きました。1600年代半ばには日本からも輸出されましたが、ヨーロッパでは王侯貴族を中心に自国での磁器製造への機運が高まります。

1700年代の初めにはドイツのマイセンがいち早く白磁の製造に成功し、ヨーロッパでの磁器生産を独占しましたが、やがてヨーロッパの人々ははその製造方法を解き明かし、1700年代後半から1800年代の前半には欧州各地で磁器の製造が始まっています。

その流れの中、フランスも磁器製造の機会を伺っていましたが、その為に必要な原材料の鉱物「カオリン」が発見されておらず困難とされていました。しかし、1765年、ある化学者の妻が、リモージュ近郊の土壌で柔らかな白い物質を発見しました。元々は、彼女が洗濯に漂白剤として使用していたその白い土こそが、磁器製造に重要な白い粘土の成分「カオリン」だったのです。この発見が契機となり、1771年リモージュに最初の窯が開かれました。

また、リモージュ磁器の製造に影響を与えたもう1人の重要な人物に、アドリアン・デュブーシェという実業家がいます。 1818年に生まれたアドリアンは、義父の事業に加わり、上質な磁器の芸術作品を収集することに情熱を傾けました。 1865年、彼はリモージュ美術館の館長に任命されました。彼は個人的なコレクションを死去するまでに約4,000点を美術館に寄贈しました。この功績により彼の名前を関したアドリアン・デュブーシェ国立博物館となり、現在に残っています。現在は、1万点を超える地元のリモージュ磁器を中心に世界各国の美術品を貯蔵している美術館となっています。彼は、後進の育成のため1868年には装飾美術学校を併設し、リモージュの磁器、製陶業の成長に多大な貢献をした人物です。

リモージュが中心的な生産地として成長していく間、フランス貴族はリモージュ磁器の製造に特に関心を持っていました。ルイ16世は1784年に工場を設立し、大規模な委託生産を開始しました。 フランスの王室・貴族が主要な買い手になり、リモージュ磁器の生産は1800年代に急成長していったのです。

さらには、1842年には、ダビド・アビランドがリモージュを訪れ、多くのリモージュ磁器をアメリカに紹介しました。これがきっかけとなり、アメリカへの販路が拡大することになります。

リモージュの特徴

リモージュ磁器の特徴は、多くの場合、「可憐な花のモチーフの複雑な装飾」と透き通るような白磁です。

リモージュ磁器に使用されている釉薬は通常透明で器胎も瀟洒で薄いのですが、フランス産のカオリンを存分に使い、今なお生産拠点を移さないリモージュの器は耐久性も高く、非常に高品質なものとして評価されています。

また、リモージュは食器だけでなく、芸術品、シャンデリア・花器などあらゆるものを制作しており、様々なリモージュ製品を目にすることができます。

リモージュボックスの買取相場について
ポケットに入るほどに小さくて可愛いリモージュボックスは、蓋のある磁器製の小箱のことです。

元々は18世紀にヨーロッパの貴族の間で流行した嗅ぎタバコの葉を刻んで入れて持ち歩くための物が起源とされています。こちらも他の窯にはない特徴的な作品として人気があります。
買取相場は、2,000〜10,000円で箱の中に小物が入っているものが人気です。

リモージュのベルナルドと買取相場について

1863年に創業、ナポレオン3世の皇室ご用達となり、皇后ユージェニーに愛され、イギリスやベルギーの王室からも特別注文を受けるようになり発展を遂げ、現在もつづく名窯のひとつです。
ベルナルドの買取相場は、商品アイテムや状態にも寄りますが、セットで5,000〜10,000円前後で取引されることが多いです。花器、カップ・ソーサー・ティーポット・お皿などの食器が人気があります。

リモージュのアビランドと買取相場について

アビランドは成功したアメリカの起業家であり、1842年にフランスに移住しました。彼は後にアメリカ市場向けの食器の製作を開始し大成功を納めます。アビランドの磁器は花嫁のステータスシンボルとなり、非常に収集しやすいアイテムになりました。アメリカでは、コレクターから高く評価されています。
リモージュのアビランドの買取相場は、商品アイテムにもよりますが、セット物でおおよそ15,000〜20,000円前後であることが多いでしょう。アイテムとしては、カップやソーサー、プレートなどの食器が有名です。非常にポピュラーなブランドと言えるでしょう。

リモージュのレイノーと買取相場について

レイノーは、王宮に尊重されたフィルムによる絵付け技術で頭角をあらわしました
日本では、ハウス食品がスポンサーになり日本に誘致したブランドでもあります。
レイノーの窯の始まりは1849年。ナポレオン3世時代にリモージュ地方モンジョヴィの丘に11の窯が建てられ、モンジョヴィはその技術力の高さで世界一の陶磁器を作る街として世界中に名を轟かせていました。1911年にマーシャル・レイノーがその窯を買い取り、1925年にレイノー社と名前を変更しました。現在のRの文字に月桂樹の枝をあしらったマークを使用するようになりました。レイノーの経営者は代々、「ハイクオリティー」、そしてフランス的なレイノーならではの「デザインの創造性」を大切にしてきました。英国のダイアナ妃の結婚祝いとして、レイノー社長自らが全製品の中から「ミル・レイ」を選んで贈ったのも有名な話です。フランスの格式高いレストランがレイノーを選んでいることも品質の高さ、格を表すのに十分な事実です。
レイノーの買取相場は、商品アイテムと状態にもよりますが、セットものでおおよそ5,000円前後のものが多いです。ソーサーや料理皿、スープといった洋食器が主に取引されています。

リモージュを高価買取してもらうためのポイント

リモージュを高価買取して貰うためのポイントは勿論価値を分かる専門家がいる骨董店を選びましょう。非常に有名な磁器ではありますが、歴史も長い為あらゆる種類の骨董品と同様に、リモージュの陶器の価格は製造事業者、装飾の種類、希少性等によって異なります。正しい価値の分かる店舗、また正しい価値を分かってもらえるお客様を多く抱えている店舗を選びましょう。立地がよく店舗を持たれており、直接販売もされている店舗が良いでしょう。
また、故人が購入しており、購入した際の情報が全くないという方でも器の下部に記載のあるリモージュという著名の記載によりこの陶器の価値に気づかれた方もいらっしゃるでしょう。本物のリモージュ磁器を識別するために重要な物は、この「バックスタンプ」を調べることです。工房ごとに異なるマークが付けられています。ベルナルド・アビランド・レイノーなどの有名な工場などそれぞれ本物のバックスタンプを把握しておく事で簡単ではありますが、価値を把握することが出来ます。売却前にリモージュ及び生産されているメーカーなどの情報・評価などある程度相場観を持って買取をお願いしましょう。

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