年中掛けの掛軸

年中掛けの掛軸とは

年中掛けの掛軸は、掛軸の種類の中でも季節に関係なく飾れる掛軸です。年中掛け、普段掛けとも言われています。

定番な図柄は山水、四季花、四君子などですが、寅などの魔除け、龍などの吉祥図、フクロウなど幸運をを表す図柄、富士山・赤富士・竹・雀・鯉など縁起の良い図。日々是好日・和敬清寂 など季節がない禅語なども人気です。

ただ、年中掛けの掛軸はとても便利な御道具ではあるのですが、傷みを防ぐためにも掛軸を長く掛けっぱなしにしないよう、お気を付けください。

同じ掛軸を一ヶ所に長く掛け続けると、空気中の湿気が影響して本紙や表具の酸化の原因になります。

傷みを防ぐためにも、年1回、2〜3ヶ月ほどで充分なので、何か季節物の掛軸などと取り替えて年中掛けの掛軸も休ませてあげることをおすすめします。

万一、どうしても掛け替える軸がない場合は年に数回、巻いて掛け直す、ということだけでもしてください。

有機物の繊維ですので動かすだけでも少しは酸化を抑えられます。

また、掛軸をしまう際は湿度の少ない日を選ぶか、現代ならば箱に入れる前にエアコンを少しかけて、湿度を下げてからしまってください。

専用の防虫香を入れて湿気の少ない場所に保管するのも忘れずに。

(掛軸専用の防虫香の販売もしております)

最近は和風ブームで、掛軸を気軽に暮らしの中へ取り入れるスタイルが増えてきました。

和室の床の間であれば掛軸をかけるのには最適ですが、普通のフローリングの部屋の壁に、掛軸を掛ける方も増えてきました。

掛軸は床の間よりも、畳が敷き詰められた和室よりもはるかに昔からあり、また、掛軸が発祥した中国では床の間というものは存在しません。

現代の私たちが床の間という伝統にこだわらずに暮らしの空間の中に掛軸を掛けることが、より古来の伝統に戻っていることが面白いのではないでしょうか。

山水画の掛軸

水墨で描かれた山水画、彩色で描かれた山水画の掛軸。
季節を問わず、一年中かけていただけます。

山水画の多くはどこそこの風景ではなく、世間のしがらみから遠く離れた穏やかな心象風景を表現していると言われています。

元々中国で掛軸が生まれた早い時期から山水は道釈画(道教や仏教の絵画)の背景として書かれていたようで、それはアジアの文化の中で今も息づく自然の山川草木全てに神性が宿っていることを表現するために仏や神の背景として描かれていたようです。

そこから独立して山水の掛軸は生まれたということで、転じて山水画に描かれた題材は単なる景色ではなく、山などの風景は世界そのものを指し、その中に家や庵があればそれは掛軸を掛けている人の「家」であり、川などの水の流れがあれば風水的な気脈を意味するものでもあるのです。

後世、自然の風景が美しい名所図や、日本の自然信仰の象徴として崇められていた富士山をはじめとした特定の山などを描いた掛軸も多く描かれましたが、この山水の掛軸を掛けて家庭の安泰を祈る精神は現代でも引き継がれて私達の暮らしに根付いています。

年中掛けの禅語

禅語とは、禅の思想を文字にしたものとして、古くから親しまれてきました。

禅の祖師たちの言行録を集めて求道者に示し、参禅して真理を探求するための問題「公安」から引用したものや、禅僧の悟りを言葉に表したものなどがあります。

それらの中でも季節のない禅語は年中掛けとして人気が高いです。

日々是好日、和敬静寂、洗心、本来無一物、和、などなど。

今をより良く生きるためのヒントとして、親しまれています。

魔除けの掛軸 / 吉祥の掛軸

年中掛けられる魔除けの掛軸として代表的なものに、虎の掛軸があります

正面向きの虎は八方睨みの虎と言われ、どこからも災いが近づかないように、外敵を睨んでいるように描かれていて、強い魔除けの意味があります。
また、虎は仔に愛情を注ぐことでも知られ、親子の絆の象徴でもあるので、家運隆盛や家内安全の願いを込めてお使い下さい。

また、吉祥の画題として代表的なものに、龍の掛軸があります。

龍は想像上の動物ですが、強い霊力があるということから神格化され、めでたい兆しとして人々に敬愛されています。

縁起物の掛軸

富士山、赤富士

富士山は日本一の山であり、その名の音からまたとないものを表す“不二”や、“不死”で不老長寿を表すものとしても喜ばれます。

とくに、朝日に赤く染まって輝く赤富士の神々しい姿には強い開運と魔除の力があると信じられています。

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