春の掛軸

飯尾剛史 山合い

春の掛軸とは

掛軸。季節は春。季節もの掛軸の中でも、春の掛軸はひときわ華やかで人目をひく美しいものです。春ものは、『春爛漫』を楽しめるものを選びたいですね。

春にかける掛軸には、春の季節に合わせた草花の画題(絵柄)として、梅(うめ)、桜(さくら)、桃(もも)、牡丹(ぼたん)、春蘭(しゅんらん)、藤(ふじ)、躑躅(つつじ)、木瓜(ぼけ)、菜の花(なのはな)、木蓮(もくれん)などを飾ることができます。

春に芽生える草花は、四季折々に淡色の柔らかな色彩を放ち花開いてゆきます。

ここでは季節の春夏秋冬の四季のうち、春の掛軸を選ぶ参考にして頂くことを目的として、12ヶ月の掛軸の中から3月、4月、5月で挙げた具体的な画題(絵柄)の抜粋と、春の掛軸はいつ、どんな時にかけるのか、また、春の特徴的な情感として感覚描写(センス)の一例を挙げながら商品の一部をご紹介していきます。

(画像) 掛軸 飯尾剛史 山合い

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春の風物詩

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春の風物詩としては、3月3日はひな祭り『上巳(じょうし)の節句』があります。それを過ぎるとお花見の季節です。新しい年度がはじまり、入学の式典があります。4月8日には、お釈迦さまの誕生日である灌仏会(かんぶつえ)があります。5月5日には菖蒲の節句『端午(たんご)の節句』があります。季節の掛軸は風物詩を感じるものを選びたいですね。

(画像) 掛軸 塚下静庵 桃

春の掛軸の種類

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春の掛軸として床の間に飾る代表的なものは桜と桃ですが、いち早く春を告げる花として梅も春の花として受けとめられます。この章では春の掛軸の種類や選び方について触れていきます。

春に芽生える草花は、四季折々に淡色の柔らかな色彩を放ち花開いてゆきます。

花と共に蝶や鳥を合わせた花鳥画掛軸、お雛様や桃の花を飾るひな祭り『上巳(じょうし)の節句』の掛軸、鯉のぼり、兜、武者などを飾る菖蒲の節句『端午(たんご)の節句』の掛軸もあります。

和歌などを掛けても風流ですが、禅語や代表的な画題(絵柄)を取りあげてみます。

季節もの掛軸は、年中掛けの掛軸とは違い、春夏秋冬の季節感を楽しむことができますね。

春の掛軸の種類には、うららかな季節を楽しむ花の画題(絵柄)が好まれます。それらの花と鳥を合わせた花鳥画掛軸などを飾るのもおすすめです。

春の季節の風雅ただよう詩歌の掛軸は味わいがあります。季節に合わせた春の禅語を選んでかけるのも良いですね。春のお彼岸には名号掛軸を掛けます。

季節の節目に邪気を払う節句の掛軸としては、3月3日のひな祭り『上巳(じょうし)の節句』、5月5日の菖蒲の節句『端午(たんご)の節句』の掛軸があります。

(画像) 掛軸 千村俊二 桜花

春の掛軸の選び方

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たくさんの春の掛軸の中から最良の一幅(いっぷく)を選ぶとき、何を基準に選べばよいのでしょうか。すべての条件を満たす必要はありませんが、いくつか挙げてみます。

先ず、春の掛軸を掛ける目的を明確にします。床の間を華やかにしたい時や、豪華にしたい時は装飾性の高い画題(絵柄)を選びます。深い味わいを好む場合は「詫び寂び(わびさび)」の美意識を踏まえた春の掛軸を選びます。

四季に合わせた季節の掛軸は、季節もの掛軸の章でも触れたように、画題(絵柄)の時期より少し早めに掛け、潔く引く。早々に新しい季節を迎え入れる。その頃合いが大切です。

五節句の内のひな祭り『上巳(じょうし)の節句』、菖蒲の節句ともよばれる「端午(たんご)の節句」などの春の行事や風物詩をうまく取りいれると季節感も増します。

もてなす相手の状況をよく知り、お祝いしたいのか、励ましたいのか、共に思い出を共有したいのかといった迎えいれる目的を明確にし、選ぶ春の掛軸の画題(絵柄)が即したものかを吟味します。

更には、目的に合わせて選んだ春の掛軸が春の情感をたたえたものが望ましいでしょう。

(画像) 掛軸 島田稔明 枝垂桜

春の情感 感覚描写

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春(はる)。その言葉を耳にするだけで私たちは優しさに包まれます。手足はひとりでにのびのびし、心が解き放たれます。春があるから何かを期待し、きびしい冬も乗り越えられます。

古来、日本には春を讃えた和歌がたくさんあります。

「世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし」(在原業平)

桜があまりにも美しく、いつ咲くか、いつ散ってしまうのかと気になってしかたがない。いっそ、この世の中から桜がなくなってしまえば、どれほどのんびりした気分でいられるだろうか。最高の賛歌ですね。

何故、私たちはこんなにも春を愛し、待ち焦がれ、その季節をめざしてしまうのでしょうか。それは、人々が春という季節に様々な想いを重ね合わせているからではないでしょうか。

幾年にもおよぶ精進、共に暮らし乗り越えた労、近しい人を案じて成長を見守り、健やかさを望んだ願い。それらが報われ成就し花開くことを、私たちは、いつしか春という季節に託したのではないでしょうか。

(画像) 掛軸 内田逸郎 山桜(桜花小禽)

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