夏の掛軸

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夏の掛軸とは

掛軸。季節は夏。季節もの掛軸の中でも、夏の掛軸には文明の利器ではあじわえない「涼」というものがあります。季節もの掛軸の中でも特に夏ものは「涼を取る」ことを意識して選びたいものですね。

夏にかける掛軸には、夏の季節に合わせた画題(絵柄)として、朝顔(あさがお)、鮎(あゆ)、川蝉(かわせみ)、百合(ゆり)、石楠花(しゃくなげ)、紫陽花(あじさい)、杜若(かきつばた)、燕(つばめ)枇杷(びわ)、芙蓉(ふよう)、撫子(なでしこ)、鉄線(てっせん)、露草(つゆくさ)、薊(あざみ)柳(やなぎ)などを飾ることができます。

季節もの掛軸の中でも、夏の掛軸は鮮やかな色の花々が美しいく印象的です。代表的な画題(絵柄)を取りあげてみます。

たなばた『七夕(しちじつ)の節句』の掛軸を掛けて邪気を払い、幸運を願います。

ここでは季節の春夏秋冬の四季のうち、夏の掛軸を選ぶ参考にして頂くことを目的として、12ヶ月の掛軸で挙げた具体的な画題(絵柄)の抜粋と、夏の掛軸はいつ、どんな時にかけるのか、また、夏の特徴的な情感として感覚描写(センス)の一例を挙げていきます。

(画像) 掛軸 田中松泉 朝顔

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夏の風物詩

半夏生が半分お化粧をしたような花を咲かせてくれるころ、夏の支度がはじまります。

納涼床(のうりょうゆか)で川のせせらぎに耳を傾け涼を取ります。 子供たちは七夕でどんな願い事をするのでしょう。海水浴でスイカはうまく割れるでしょうか。

夏まつりで着る浴衣の肩上げはいつほどけるのでしょう。 お盆には懐かしく近しかった人たちを目印の迎え火で待ち、送り火で見送ります。

夏の掛軸の種類

夏の掛軸の種類には、まず、『涼』を感じさせる水、川や海、瀧などの画題『絵柄』があります。

川の急流を下る舟遊びである『川下り』、納涼床(のうりょうゆか)の図、海の波打ちの図柄の掛軸も涼しげです。

川を泳ぐ鮎や、水を切って泳ぐ魚、「渓流の宝石」と呼ばれる川蝉、風を切って飛ぶ燕(つばめ)も夏の掛軸として代表的です。

大瑠璃(おおるり)や川蝉(かわせみ)の青い色彩も夏らしさを演出してくれます。オオルリの美しいさえずりも聴こえてきそうです。

又、夏の季節に咲く花も夏の季節の掛軸には欠かせませんね。朝顔、や紫陽花、芙蓉(ふよう)など美しい花が床の間に彩りを添えてくれます。

夏の花々と鳥や蝶を合わせた花鳥画掛軸もおすすめです。

夏の掛軸の選び方

たくさんの夏の掛軸の中から最良の一幅(いっぷく)を選ぶとき、何を基準に選べばよいのでしょうか。すべての条件を満たす必要はありませんが、いくつか挙げてみます。

先ず、夏の掛軸を掛ける目的を明確にします。床の間を華やかにしたい時や、豪華にしたい時は装飾性の高い絵柄を選びます。深い味わいを好む場合は「詫び寂び(わびさび)」の美意識を踏まえた掛軸を選びます。

四季に合わせた季節の掛軸は、季節もの掛軸の章でも触れたように、画題の時期より少し早めに掛け、潔く引く。早々に新しい季節を迎え入れる。その頃合いが大切です。

『たなばた』ともよばれる「七夕(しらせき)の節句」などの夏の行事や風物詩をうまく取りいれると季節感も増します。

もてなす相手の状況をよく知り、お祝いしたいのか、励ましたいのか、共に思い出を共有したいのかといった迎えいれる目的を明確にし、選ぶ夏の画の画題が即したものかを吟味します。

更には、目的に合わせて選んだ掛軸が夏の情感をたたえたものが望ましいでしょう。

夏の情感 感覚描写

中国の楊貴妃は、夏になると暑さをしのぐため、しばしば軽い絹を身に着け、宮女に風をあおらせ、背の高いつる棚の下で歌ったといわれます。

つる棚を使えば暑い太陽の下でも長く外にいられるからです。人々にとって歌を聴くことは熱を冷やすための高度な方法とみなされていたようです。

また、川の氷を運び地下室に入れ、草の上に積んで氷室(ひむろ)にさせ、角氷を使って熱を逃がしたといいます。時にはその氷が取り出され、鳥、獣、鳳凰などの様々な形が職人によって彫られ、部屋を冷やすために置かれたそうです。なんとも優雅ですね。

わが国ではすこし趣きが違うようです。「涼を取る」とは心意気のようなものでしょうか。 打ち水をし、清める。そよ風が立つ。簾(すだれ)をかけてその透き影をたのしむ。朝顔のつるをつたわせ風の通り道をつくる。風鈴の音に風の声をきく。夕涼みをする。

長きにわたり継続する文化には、それらが生まれた背景があります。その中には小さな風習から始まったものもあります。

私たちは暑さをしのごうとしてきました。充足した中に工夫とは生まれてこないものです。ところが、工夫しただけのはずなのに、そこに何故か美が介入してきました。

暑さに困り果て避けようとした人々は、自然と共に暮らすために魔法のような何かを求めたのでしょうか。それが創意や工夫となり、今まで誰も思いつかなかったことを考え出す知恵となり安心を得てきました。

そこに昇華というものがうまれたのでしょう。

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