9月の掛け軸

9月にかける掛軸は

長月(ながつき)。夜長月。9月9日には菊の節句「重陽(ちょうよう)の節句」があります。十五夜があり、樹木より一足早く草たちが紅葉をはじめます。秋分の日を間にいれ秋のお彼岸があります。季節の掛軸は風物詩を感じるものを選びたいですね。

月の掛軸

12ヶ月。9月。ここでは、季節掛け12ヶ月のうち、9月にかける掛軸として、紅葉(こうよう・もみじ)、菊(きく)、柿(かき)、萩(はぎ)、桔梗(ききょう)、竜胆(りんどう)芒(すすき)の掛軸をご紹介します。

紅葉(こうよう・もみじ)の掛軸

紅葉の掛軸は9月から11月頃まで掛けます。北の国からすこしずつ南の国へとひろがる葉の色づき、赤色にかわる「紅葉(こうよう)」、黄色にかわる「黄葉(こうよう)」、褐色にかわる「褐葉(かつよう)」がありますが、これらのすべてを「紅葉」とされたりもします。

万葉集で歌われている紅葉とは、「黄葉」がほとんどです。「もみじ」は名詞ばかりではなく、葉の色づく過程や様を動詞の「もみづる」としても使われていました。

「手折(たお)らずて 散りなば惜しと 我が思いし 秋の黄葉(もみち)を かざしつるかも」(橘朝臣奈良麻呂)

手折らずに散ったら惜しいとかねがね思っていた秋のもみじを髪にさせました。

葉の散りゆく姿は盛りを過ぎた状態ではなく、盛りの状態として詠まれました。「手折る」や「かざす」という言葉がそれをあらわしています。

紅葉の掛軸は秋ものを代表する画題です。緑の葉が黄から山吹の濃淡、紅の濃淡へとかわるどの色づきも綺麗です。

菊の掛軸

菊の掛軸は9月から11月頃まで掛けます。菊の花は日本の秋を象徴する花といえます。

大菊の気高さ、糸菊の繊細さ、小菊の可憐な愛らしさ。白、黄、紫、紅色と綺麗な花を咲かせてくれます。

「隠逸花(いんいつか)」という別名をもちます。

「暗闇でも、その清らかな香りでそこに菊があることがわかる。」という意味です。

「四君子」のひとつであり、秋の花として晩秋の寒さの中で鮮やかに咲くすがたが好まれました。中国で君子とは徳と学識、礼儀を備えた人を指しました。蘭、竹、菊、梅の4種の持つ特徴が、高い気品をたたえ、まさに君子の特徴と似ていることから、文人たちはこれらの花に美しくあるための力量と心構えを習いました。

国の花でもあるこの花は、鎌倉時代の後鳥羽上皇(ごとばじょうこう)が調度品の意匠(いしょう)として菊文様を用いたことから、菊花紋章となり、皇室の紋になったといわれます。

菊の節句とよばれる「重陽(ちょうよう)の節句」では、寿命が延びるといわれていた菊を据え、栗ごはん、秋茄子(あきなす)、食用菊のおひたしや吸い物をいただき、膳と一緒に菊酒を嗜みます。菊湯に入り、菊枕で眠り、邪気を払います。菊に綿をかぶせ一晩おき、花の香りと露を含んだ綿で身を清める「菊の着せ綿(きくのきせわた」で、不老長寿や繁栄を願う行事が行われます。

菊の掛軸は「重陽の節句」にも掛けられ、美しい秋を象徴し、清らかな気品をたたえてくれます。

柿(かき)の掛軸

柿の掛軸は9月から11月頃まで掛けます。柿の語源は暁(あかつき)を略したとも、輝き(かがやき)が転じたともいわれます。

初夏に黄色や白の可愛い花を咲かせますが、柿といえば、秋に熟す実や葉、木の枝ぶりの方が印象深いですね。

昔から、「柿が赤くなると医者が青くなる」といわれます。

秋に柿が色づく季節は気候もよく、その実の栄養の高さから、食すと体調を崩す人が減るという意味です。

そのため、実を砂糖のかわりに料理するときに加えたり、葉で食物を守ったり、刻んで柿の葉茶としていただきますね。

素晴らしい実や葉ですが、木の立ちすがたに風情があり、人々に長く愛されてきました。柿は小鳥とあわせた柿と小禽図など、秋の掛軸のなかでも特に代表的な画題です。

萩(はぎ)の掛軸

萩の掛軸は9月から11月に掛けます。萩の花は赤紫や白の花を咲かせます。万葉集でよく読まれる花ですが、掛軸でも最も多く描かれる画題のひとつです。

中秋の名月には芒(すすき)と共に月に供える風習があります。

萩のたわわに揺れる花のすがたが美しく、思わず見惚れてしまいますね。

たおやかで美しいだけでなく、自然に自生する強さも持ちあわせています。

掛軸でも和歌でも鹿と一緒によく描かれたり詠まれたりします。牡鹿がよく鳴く季節と萩が咲く時期と同じであることから、牡鹿が夫で萩を妻とし、夫婦と見なされました。掛軸では萩だけで描かれたものも、とでも美しく趣きがあります。

桔梗(ききょう)の掛軸

桔梗の掛軸は6月から9月頃まで掛けます。桔梗の蕾(つぼみ)は紙風船のように膨らんで可愛らしいですね。星形の青紫や白い花を咲かせます。

萩(はぎ)、芒(すすき)、撫子(なでしこ)、葛(くず)、藤袴(ふじばかま)女郎花(おみなえし)と共に、秋の七草とされています。清楚なすがたが日本文化に馴染み、茶花としても愛されています。

「吉」と「更」という字をふくむことから、「更に吉」として、「桔梗(きちこう)」ともよばれ、掛軸でも縁起のよい花として好まれています。

竜胆(りんどう)の掛軸

りんどうの掛軸は9月から11月頃まで掛けます。りんどうは鐘形の青紫色の花を晴れた日にだけ上向きに咲かせます。「竜胆(りんどう)」という呼び名は、「りゅうたん」が転じたといわれます。

根の部分に薬効があり、古くから薬草として利用されてきました。その味が竜の胆のように苦いと評されたことが由来とされています。うさぎが掘り当てた薬の逸話がよく知られていますね。

「枕草子」でも他の花が霜にやられて枯れてしまうなかで、りんどうが鮮やかな色彩で顏を覗かせる様に趣きがあると綴られています。

りんどうの掛軸は秋の訪れを告げ、凛々しいすがたを見せてくれます。

芒(すすき)の掛軸

すすきの掛軸は9月から11月頃に掛けます。すすきは秋の七草のひとつです。

十五夜では満月を豊穣の象徴とし、すすきを稲穂に見たてて飾りますね。依り代(よりしろ)とされ、茎の内部の空洞に神が宿り、邪気を払うといわれています。

すすきの揺れる衒い(てらい)のない姿は、なんとも言えない野趣があり、見飽きないですね。掛軸では月とすすき、秋の七草のひとつとして描かれたものが好まれます。

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